金額ではなく率でみる

一気にマイナスになりました

「確定拠出年金」にご加入の方から、以下のメールを頂きました。

2019年10月の取引状況のお知らせでは、3万円位のプラスになっていましたが、

2020年4月のお知らせでは20万円近くのマイナスとなっていました。

半年で、ずいぶん変わったなと驚いたのですが、このままにしておいてよいでしょうか。

 

折角少し増えてきたと喜んだ矢先の3月、コロナ暴落が襲いました。

日経平均株価も、米国ダウ平均も52週平均高値から30%以上も下がるのですから、暴落と言ってよいのでしょう。

ただし、日経平均もダウも戻りは早く現状90%近く戻しています。

 この方のポートフォリオは債券の比率が多い安定型でしたので、プラス3万円からマイナス20万円の落差に驚かれたのも無理はありません。

運用する資産が増えてくると金額の増減も大きくなります。

マイナスの金額だけを見るとため息が出て、これでよいのかしら・・・と、心配になりますよね。

 

騰落率でみると

メールの方の例では、2019年10月の運用報告書は積立金合計196万円、評価額199万円となり3万円のプラスです。2020年4月の運用報告書では、積立金合計230万円、評価額210万円となり20万円のマイナスです。

では、少し見方を変えて騰落率を計算してみると、

2019年10月は、

積立額196万円に対して3万円プラスです。

騰落率は1.5%となります。

 

2020年4月は、

積立金230万円に対して20万円のマイナスです。

騰落率は8.7%となります。

日経平均やダウは30%超の下げでしたが、この方のマイナスは率でみると8.7%です。

マイナスの金額だけを見ると驚いてしまい、投資は危険と不安になるかも知れません。

そんなとき、少し見方を変えて、金額を見るのではなく騰落率を見て下さい。

値動きの度合いをボラティリティ-と言います。

ボラティリティ-は運用商品により異なり、株式は債券よりボラティリティーは大きくなりますが、その分リターン(収益)も大きくなります。

そもそも投資信託のように値動きのあるものは、10%位の上げ下げは否めず、だからこそリターンを生みます。

年間騰落率が好調な年でも、1年を通じて右肩上がりなのではなく下落局⾯が何回もあります。

 

自身の運用スタイルを確認する

プラス・マイナスの金額を見るのではなく、騰落率をみることで自身の投資スタイルの確認ができます。

・市場全体が30%下げているときに私のポートフォリオは8.7%の下げ、この投資スタイルでいい。

・60歳までまだ10年以上、今下がっているのはむしろ安く買えている。

・マイナスの金額に惑わされず、このまま株式主体で行こう。

・60歳まであと5年、そろそろ株式の比率を下げて安定運用に移行だ。

確定拠出年金は、老後資金を作るのが目的です。

自身のゴールまでの期間に沿ったリスクの取り方を見極め、投資⽬的を⾒失わないことが成功の秘訣と⾔えます。

今は、経験学習の時です。