問題は使い時
2014年からのNISA口座も6年が過ぎると、
『NISA口座のものは、いつ売るのが良いのですか。』
『売るタイミングを教えて下さい。』
との質問は少なくありません。
相場環境がよく、プラスの数字を見ると
今のうちに利益確定をしておきたいと思うのは自然なことです。
確定拠出年金やNISAを使った、資産形成なんてある意味簡単です。
口座を開き、積み立てが習慣になれば、あとはほったらかしの方が結果が良いこともあります。
問題は、今まで積立てで増やした分をいつ取崩すか、 短期の売買ではなく、使い時のタイミングです。
確定拠出年金からNISAへバトンタッチ
NISA口座のお金の使い時を考える前に、確定拠出年金との連携を考えてみませんか。
確定拠出年金は、2022年から企業型DCは70歳まで、iDeCoは65歳まで積立て可能年齢が延長されます。
受取は積立期間が10年以上あれば、60歳から70歳までの間で任意に選べます。
そこで、現在確定拠出年金で運用されている方は、60歳以降
1.売却して銀行預金に移す
2.NISA口座に枠がある方はNISA口座に移し運用を継続する
(NISA口座でなく、特定口座でも)
お薦めしたいのは2の方、運用の継続です。
NISA口座に移すと言っても、確定拠出年金は一旦売却となりますが、
売却分を今までと同じカテゴリーの運用商品に移し、引き続き継続することは十分可能です。
NISA口座は今後形が変わっても、たぶん一生涯使えるようになるはずです。
必要な時に、必要な分だけ
NISA口座は一生持ち続ける。
そうして、必要な時に必要な金額だけ取り崩し、
残りの分はNISA口座で引き続き運用する。
一般NISA口座は最高600万円まで預けられます。
仮に600万円が900万円に増えたとすれば、
結構使いではあります。
しかもいつ下しても税金は1円も引かれず、
必要とするお金はまるまる手元に届きます。
確定申告の必要もありません。
NISA口座のお金を、健康・介護保険料分だけ毎月取り崩す。
マンション管理費の支払いに。
孫へのお小遣いはNISA口座に有る範囲で。
毎年夏は○○に行く、そのための費用はNISA口座から。
プロに頼む水回りの掃除費用に・・・等々
スポット的な出費は、生活費や年金からではなくNISA口座から支払う。
こんな心づもりが出来れば、余裕を持つことになります。
確定拠出年金でもNISAでも運用を続けると
勿論、残高にもよりますが、
『毎月○○万円取り崩すと△△年しか持たない』
『いつ運用を終わりにするか』と、考えるよりは、
NISA口座は、銀行口座と同じようにず~と持ち続け、
必要な時に必要な分だけ取り崩し、残りは運用の継続です。
基本は公的年金で生活できるよう組み立て、出来る範囲でほんの少し長く働き、
NISA口座のお金は増やしながら、心おきなく使う。
そうすると、老後資金2,000万円!なんてがんばる必要もなくなります。
『いつ運用を終わりにしようか』なんて考えるより、
『豪華なおせち料理の資金はNISA口座から』なんて心づもりができれば豊かな気分になりませんか。
確定拠出年金やNISAで10年以上運用を続けていると、だんだんと、値動きのあるものとの付き合い方、
選んだ投資信託のこと、自分に合ったポートフォリオはどんなものか、等々が自然に分かってきます。
取崩す段階になっても的確な判断が出来ます。
そうすると『NISA口座をいつ終わりにするか』とは、考えにくくなってきます。
NISA口座は、銀行口座と同様に一生持ち続ける。
のが、ベストと考えます。