もしかすると大きな歴史の転換点

コモンズ投信会長の渋澤健氏が、

日本は明治維新後約30年の周期で破壊と創造を繰り返してきた。

1990年代以降の破壊が足りないかなと感じていたところに今回のコロナで、

ようやく次の創造に向える、仰っていました。

 

2020年は歴史に残る年になると同時に、

次の創造のための生みの苦しみだった、

といつか思えることを願うばかりです。

 

 

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私たちは、「幸福な先祖」の子孫である。

 

石弘之著「感染症の世界史」によると、

今生きている私たちは、過去の様々な「感染症」から生き残った

幸福な子孫らしい。

 

一方、今日の新型コロナウイルスもまた、

人間との戦いに形を変え進化を重ね、

耐性を獲得し生き残った強い菌と言えます。

 

ヒト(ホモサピエンス)は約20万年前出現と言われる中、

感染症の原因となる微生物の誕生は、はるか以前40億年前。

 

人類誕生以来、人と感染症の原因となる微生物とは、

共に生き残りをかけた「軍拡競争」が続いている。

 

戦争による死者の数よりも感染症に斃れた方がはるかに多く、

いかなる兵器よりも、人類を一番多く弑したのは目にも見えない微生物。

 

感染菌は時にエイリアンの如く、

生き残り繁殖をかけ、感染先(ヒトや他の生命体)をも操る。

・急にモテキが来た

・ネズミが猫を恐れなくなり進んで近づく

・弱ったときにヘルペス菌が顔を出す。

これらはみな、次の宿り主(感染先)を求める感染菌のなせる業だとしたら…

 

過去の流行の例からするとそろそろ強烈な「新型ウイルス」が誕生する頃

新型コロナウイルスの出現は既定のように思われました。

 

なのに、何故このことを見過ごしてしまったのか。

 

新型コロナウイルスが、猛烈に殺傷力や感染力の強い菌であるとかではなく、

人類側の変化が世界的なパンデミックを引き起こしてしまった。

・人為の結果としての気候変動や温暖化

・森林減少、生態系の変化、野生動物との少なくない接遇

・人口の過密

 

森林破壊や生物連鎖の断絶で、

生息地を狭められたウイルスが、

新たな宿主を求めて人間に寄生場所を変え、都市化の中で感染が広まる。

 

地球上でもっとも進化した人間と、最も原始的な微生物との戦いに

人類はますます多くを費やせざるをえないのでしょうか。

 

歴史の転換点となるトリガーを引いたのも多くは感染症です。

今回の新型コロナウイルスも、もしかすると想像以上に

大きな転換をもたらすように思えてなりません。

 

いくらワクチンや治療薬が出来たとしても、

耐性を増したウィルスや新たな病原体はすぐに現れます。

 

 

「感染症の世界史」は2014年に書かれたものです。

(余談ですが、著者の石弘之氏は元政府税調会長の石弘光氏の弟さんでした。)

 

著者はあとがきの中で、

~彼ら(病原体)も人と同じように環境の変化に耐えながら、

ともに進化してきた戦友のような気分になってきた。~

 

更に、

~歴史上例のない人口の集中化と高齢化は感染症の温床である。~

とも、書いています。

 

「アフターコロナ」はまだ見えていませんが、

世界中ほぼ一斉に「stay home」と、鎖国状態を粛々とこなし得たことに

ひとつの啓示があるように思えてなりません。

 

人類もまた、地球の中で生かされているのですから、

かつてない経験を奇貨とせず、ほんの少しストイックになり

地球との共生を第1に「新たな意識」を持たなければ、

と思うこの頃です。