高額療養費より、みんな元気だよ

「左から2人目が私だよ。」

3.11の被災地支援を続ける妹たちの活動が地元の新聞に掲載されました。

メンバーは高齢女性たちで、得意の手仕事を生かした

手芸作品などを販売した代金を活動費に充て、

生活品や時には地元で採れたタケノコなんかも送っているそうです。

なんと14年間で400回以上!支援活動は今も続いています。

3月11日は「供養」のために集まり、持ち寄った料理を「食おう」だそうです。

「みんな元気だよ。決して一方通行ではなく、楽しいよ。」


 高額療養費制度

高額療養費制度の改定が一旦見送られるようです。

「一旦」ですので、多分継続審議で改定はあるのでしょう。

高額療養費制度とは、

ひと月に医療機関や薬局の窓口で支払った金額が上限を超えた場合に、

その超えた金額分が支給される制度です。

で、今回見送られた改定案を改めて眺めてみました。

現行制度の年収区分は5段階でしたが、改定案では13段階に細分化されています。

・住民税非課税世帯は、現行の3万5400円が3万6300円に、引き上げ幅は1.03倍。

(ちなみに65歳以上の半数はこちらの住民税非課税世帯に該当)

・現行は年収370万円の人も770万円の人も8万100円+1%ですが、3段階に

 細区分され、370万円~510万円の人は8万8200+1%で1.10倍のアップです。

・年収650万円~770万円は、8万100円+1%が、13万8600円で1.73倍ですが、

 現状では770万円の年収が780万円になると

 上限負担額は、16万7400円+1%と、一挙に倍以上上がりますので、

 このクラスの人にっとっては、従来より上げ幅は少なくなっています。

今回の改定案は13段階がミソで、所得に応じた負担という意味では、

今よりなだらかで公平なのかもしれません。

それでも、引き上げ幅が1.7倍以上となる年収層の人にとって

「医療費」の負担増は大きいのではと思われます。

70歳~74歳までの患者負担上限についても改定案は見送りのようです。

 多数回該当

過去12ヵ月以内に3回以上、上限に達した場合は

4回目から「多数回該当」となり上限額が下がります。

多数回該当《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

多数回該当は、同一世帯で合算できます。

多数回該当についても見直しは見送りで、現行のままです。

70歳以上の固有制度「外来特例」※ 制度も現状維持です。

※通院における月額医療費は、住民税非課税世帯は月8千円、

年収156万~約370万円なら月1万8千円が、ひと月に支払う医療費の上限。 

 複雑で分かり難い

厚生労働省の「高額療養費制度見直しについて」には見直しにより、

現役世代の保険料軽減の試算が出ており、組合健保も協会けんぽも国保も後期高齢者も、

加入者1人当たりの保険料が若干安くなるようです。

また、以下のようにあります。

~平均的な収入を超える所得区分については、

平均的な引き上げ率よりも高い率で引き上げる一方で、

平均的な収入を下回る所得区分の引き上げ率は緩和するなど、

所得が低い方に対して一定の配慮を行う。~

「高額療養費制度」に限らず、医療保険制度は結構複雑で分かり辛い。

70歳以上高齢者の特権?「外来特例」があること自体知りませんでした。

こちらも公平性の点と、軽度の疾患でも多数回受診に繋がりかねない

とのことで廃止論もあったようです。

日本の国民皆保険制度は世界に誇れる仕組みと思っています。 

所得に応じた保険料、高額療養費制度、多数回該当者の軽減策等々。

年収370万円までの場合、4回目からは月の医療費自己負担上限は44,400円です。

セーフティーネットとしての高額療養費制度を維持するには、

値上げは致し方ないとしたなら、どんな配慮でどのような形がよいのでしょうか。

「高額療養費制度」を知らない人も多いそうで、

今回の「高額療養費制度見直し見送り」は、案外気づきとなったかな。

「高額療養費」や「高額医療・高額介護合算療養費」制度を知らないで、

利用しませんでしたと、ならないように、

お住いの自治体に問い合わせることもお忘れなく。

何より、「みんな元気だよ。だって楽しいことしているんだもの。」といきたいですよね。