米国株は値上がりが続き、ダウもS&P500 、ナスダックも史上最高値を更新しています。
大統領が代わる来年以降も米株高は続き、世界経済は米国1強との見方です。
マーケットの見方は相反するベクトルで語られるのが常ですが、
ゴールドマンサックスは「S&P500株価指数の今後10年の名目トータルリターンが年率3%になる。」
と、驚きの見解を示しました。
過去30年2桁のリーターンを維持してきたS&P500がですよ、信じ難い。。。
ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが
22年ぶりに「債券投資家」に、 債券の保有が株式保有を上回りました。
バフェットさんは、
企業が稼ぐ年間の1株利益を株価で割った益回りと債券利回りを比較すると、
現在の米株S&P500指数はかなり割高とみて、手元資金のほとんどを
換金性の高い短期債 にしているとのことです。
現に、米国10年もの国債の利回りは4%超えです。
国債という選択肢
国債は国が発行するため、元本割れの心配がほとんどありません。
現在の低金利では、銀行預金より高い利回りが期待できます。
安全性と安定した運用を求めるなら国債は選択肢のひとつで、
ポートフォリオに組み込むことで、株式下落時のリスク緩和が期待できます。
個人向け10年国債は変動金利ですので、将来金利が上がったとしても、
半年ごとに見直され、金利上昇に対応できる設計になっています。
1万円から購入でき、購入から1年が経過するといつでも中途売却が出来ます。
直前2回分の利息が引かれますが、1年以上持てば元本割れはしません。
とはいえ、米国債の4%超の金利と比べると、直近の金利は0.71%ですが、
メガバンク1年定期の0.125%よりは高利回りです。
債券投資の注意点
4%の債券を長期で持つことで、確定利回りのインカムゲインを得ることができます。
債券投資ではいくつか注意すべきことがあります。
1)米国債は日本国債よりも高利回りですが、為替リスクがあります。
購入時より円安局面では為替差益が見込めますが、
円高になると為替損が本来の利回りより大きくなる可能性があります。
2)債券投資では、インフレリスクも考慮すべきです。
インフレ率が債券の利回りを上回ると実質利回りは低下となります。
現状の2%以上のインフレ率と0.71%の国債金利ではどうでしょう。
3)債券価格と金利はシーソーです。
満期まで保有する分には額面金額で償還されますが、中途売却では時価となります。
購入時の金利より金利が上昇すると、売却価格は下がります。
反対に購入時より金利が下がると売却時の価格は上がります。
債券はどう使うか
・金利上昇が予測される局面では、定期預金の代替として、
1年~5年位の間に使う予定のあるお金の預け先として、
3年・5年の固定債よりは変動10年の個人向け国債が有効です。
・利回り4%の米国債は、毎年のインカムゲインとして魅力です。
今後20%位の円高になったとしても、10年間に受取る利息の方が上回ります。
購入時よりどのくらい円高になると為替損失が出るかの見極めです。
損益分岐点レート = 投資時の円建ての元本 ÷ ドル換算の配当金+満期金
・債券はまとまった資金を預け、インカムゲインを受取りたい人が、
今後の金利状況を鑑み適切な時期に購入し、満期まで持つ。
・資産形成を目指す世代の人でしたなら、債券ではなく株式投資信託で、
債券を組み込んだポートフォリオは50代くらいからでも良いかと思います。
バフェットさんが購入したのは、米財務省短期証券 (Tビル)です。
バフェット氏が「債券投資家に」といっても、債券は良い投資先が見つかれば、
すぐに換金し株式投資に回せる、言わば待機資金の預け先です。
ドル建てMMFは、格付けの高い公社債などで運用される短期債券で、
直近の利率は4%と長期債とほぼ変わりません。
1ヵ月複利で月末に再投資され、複利効果が高く、
為替や金利状況を見ながらいつでも売却可能な使い勝手の良い債券と言えます。
利付債券は確定利回りで、発行体がデフォルトしない限り
定期預金と同じように利息を先に受け取り満期になれば元金が戻ってくる安定運用商品ですが、
NISAの対象ではありません。(債券型投資信託はNISA対象のものも)
債券は、バフェットさん流に使うなら、
短期のお金の預け先で長期の資産形成は株式主体がお薦めです。