なぜNISA該当ダメなの

 旧NISAをお持ちの方

新NISAが始まり11か月です。口座数も順調に伸び、6月末時点で2400万口座を突破し、

政府目標の3400万口座に近づいているそうです。

2020年買付分の旧NISAは、24年末で5年のNISA期間が終了となり、

終了後は特定口座に自動移換となります。

一旦売却して、新NISAの成長投資枠で買い戻すか、

特定口座で運用し、新NISAは新たな資金で利用するか、思案のときですね。

旧NISAをお持ちの方《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

旧NISAをお持ちの方は、買付から5年の非課税期限が終わる27年まで、

特定口座にすべきか、それとも一旦売却後、成長枠で買い戻すかの作業が続くことになります。

 NISA投資先の見直し

「凄いね~。こんなに増えてる。」

「そろそろ使いたいけれど、どうしたらいいの?」

今月古希を迎えるお客様は、NISAができる前から14年のお付き合いです。

今まで1度も売却することなく、投資信託をbuy&holdでした。

積立一辺倒できたものの、高配当株式に買い替えようか、

それとも銀行預金に移して使った方が良いのか。

資産形成期から、増やした資産をいかに守りながら取り崩して使うか。

NISA資金の活用に悩まれる方は少なくありません。

「増えた分くらい売却して使われたらいかがですか。」 提案したものの、

どう取り崩して良いやら、いざ売るとなると躊躇するし、手続きも面倒とのこと。

そこで、お持ちの投信の一部を「毎月分配型投資信託」に移して頂くことになりました。

生活状況の変化と共に、投資信託銘柄の見直しがあっても然るべきです。

「毎月分配型投資信託」は、新NISAの投資対象とはなりません。

毎月分配型は特定口座扱で、分配金の20.315%が課税となります。

それでも、NISAの対象となる「隔月分配型」や年2回・4回の分配型よりも

毎月分配金が下りてくる方を選ばれました。

正直、金融庁の唱える「毎月分配型」はダメで

「隔月分配型」はNISA対象とする選定理由の根拠が分かりませんが、

毎月分配型投信は人気で買われています。

 「予想分配金提示型」

下図は、新NISAも含めた投資信託の売れ筋ランキングです。

1位のオールカントリ、2位のS&P500は共にNISA対象商品ですが、

3位のアライアンス米国成長株、4位のインベスコ世界厳選株は共にNISAの対象とならない、

毎月分配金の下りて来る投資信託です。

投信売れ筋ランキング《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

実質信託報酬はオルカン、S&P500よりも高いのですが、売れ筋の上位銘柄です。

NISAではなく特定口座(収益に課税)扱いですが、

年金世代の高齢者層に支持され買われています。

分配型投資信託がNISAの対象とならないのは、以下の理由からです。

・頻繁な分配金は、長期の資産形成には向かない。

・分配金は利益からだけではなく、元本からの取り崩しとなることもある。

しかし、購入時の手数料も高く、分配金は元本からの支払い(特別分配金)であっても、

買われているのは、「毎月分配型」を必要とする人がいるからです。

3位のアライアンス米国成長株ファンドは「予想分配金提示型」とあります。

予想分配金提示型の投資信託は、

基準価額の水準に応じて分配金の金額があらかじめ決められています。

基準価格が11,000以上12,000円未満であれば分配金は1万口あたり200円ですので、

保有口数を掛ければ当月の分配金が分かります。

基準価格が11,000円を下回る月は100円のときも0円の月もありました。

「予想分配金提示型」は必ずしも分配金ありきではなく、

基準価格が一定水準以下の場合、分配金を支払わず、投資元本を維持する進化系投信のようです。

 「毎月分配型投信」を悪者にしないで

毎月分配型投信は、

・毎月自動的に現金収入を得ることができる。

・利益確定しながら、残りの資金は引き続き運用を継続する。

・長期で分配金を受取り続けると、トータルではプラスの確立が高い。

・下落傾向の相場が続くときは、マイナスの複利効果とならずにすむ。

毎月分配型ファンドについては否定的な意見の方が多いです。

特に新NISAの対象から外れたことで、レッテルを張られたようで残念です。

けれど、退職後の方や、定期的収入が必要な人にとっては、

何より簡便で魅力的な投資信託です。

高配当株式も悪くはありませんが、受取れるのは年2回。

株価の変動は常で減配もありますし、銘柄選びも難しいですよね。

「退職金だって、どんどん減っていくし。。。」

インフレの今、銀行預金の取り崩しでは減る一方です。

運用しながら取り崩す方が、資産寿命が延びる確率は高いです。

NISAは資産形成世代だけのものではないはず。

NISAで培った金融リテラシーを高齢期の資産運用に生かし、

引き続きNISAの中で「運用しながら使う」となってこそ意義のある制度ではないでしょうか。

NISAに定年は有りません。一生涯持ち続けることができる非課税口座です。

多くの高齢者から支持されている、毎月分配型投資信託を悪者にしないで

NISA対象にして、と金融庁に言いたい。