10月1日から暮らしにかかわる制度がいくつか変わりましたが・・・
児童手当の拡充
10月分の児童手当から拡充されました。
年収制限がなくなり、支給対象が高校生まで延びます。
・3歳未満:月額15,000円 ・3歳~18歳:月額10,000円 ・第3子以降:30,000円
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18歳まではお金の貯め時です。
児童手当を18歳まで大学教育資金として、NISAで積立て運用をお薦めします。
「火災保険料」が値上がり
自然災害の増加による支払いが増え、損保各社の火災保険料が全国平均で
13%前後上がるようで、2024年10月1日契約分から新料金を適用とのことです。
保険期間も最長でも5年となり、長期の契約が出来なくなります。
対策として、
・複数の保険会社の見積もりを比較する
・水害などのリスクを見極め必要な保障に絞る
・免責(自己負担額)を上げることで保険料を圧縮する
毎年の契約ではなく5年契約にするなどで、
なるべく保険料を抑える工夫が必要となります。
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最低賃金の引き上げ
全ての労働者に適用される時給の最低賃金が、10月1日から引き上げとなりました。
全国平均では前年より51円高い1,055円、1,000円超えは16都道府県で、
最高は 東京都の1,163円となります。
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社会保険の適用拡大
従業員51人以上の企業のパートタイマーの社会保険適用が拡大されます。
社会保険加入の条件としては、
・月額賃金8万8千円(年収換算で106万円)以上
・勤務時間週20時間以上
・2ヵ月を超える雇用見込みがある
基本給以外の残業や通勤手当などは含まない、とあります。
また、時給が高く年収106万円を超えても、週19時間勤務なら当てはまらない。
社会保険適用拡大は、すんなりと受け入れづらい状況が労使共にあるようです。
企業は、今まで社会保険料負担なしのパート職員の社保負担が生じると企業収益圧迫となり、
社会保険が適用されない働き方のアルバイト等に置き換えらずをえないところも。
先日お会いした介護施設で働く方は、
いろいろ理屈をつけて「介護処遇改善手当」が基本給に組み込まれ
結局は変わらないとのことでした。
働く側も、社会保険に加入するより扶養の範囲内、
年金も第3号被保険者のままの方を選び、
労働時間を減らした人の方が多いとのことです。
最低賃金の引き上げにしても、社会保険の適用範囲拡大にしても、
歓迎すべきことなのでしょうが、別の問題も惹起します。
企業型確定拠出年金では
社労士さんから、「昨今の最低賃金大幅UPに伴い、
企業型DC掛金によっては最低賃金を割ってしまう人が出るケースが散見されます。」
対処法についてお問合せ頂きました。
選択制企業型DC掛金は、賃金に含まれません。(所得税・社会保険料算定基準外)
例えば、東京都の場合パート職員がひと月80時間働くと
最低賃金ベースでは93,040円以上となりますが、DC掛金は別途となります。
DC掛金の決め方として、1,163円より50円でも多い時間給とし、
上回った金額分が掛金の上限となるような設計となります。
東京都例では、1,163円+50円=1,213円が最低必要な時間給となり、
50円×労働時間が掛金の上限となります。(時間給>1,163円)
パート職員も含め、厚生年金適用者は全員企業型DC加入資格がありますので、
最低賃金を上回る時間給でないと選択制企業型DC導入は難しいのです。
令和6年以前の最低賃金が低い時期に選択制で導入された、
パート職員のいる企業は最低賃金の引き上げで、悩ましい状況です。
企業型DCに限らず、最低賃金引上げや社会保険適用範囲拡大は
狙った効果以外に弊害や、しわ寄せが出ているのも事実です。
・最低賃金を全国平均で1,500円に引き上げる(政策案)
(大企業なら6%の下押しにとどまる経常利益は、
中小企業なら41%、零細企業は50%も下押しされるとの試算もあります。)
・103万円の年収の壁を破り、課税水準を178万円に引き上げる(国民民主党)
(インフレを助長する。
国と地方で7兆~8兆円程度の減収が見込まれ 、結局は別な負担が待っている。)
一見悪くはない、むしろ良い政策でも、本当にそれがベストなのか。
逆の結果、好まざる事態を引き起こす要因が潜んではいないだろうか。。。