酸っぱい葡萄

朝夕は暑さも和らぎ、葡萄が店頭に並ぶ頃いつも思い出すのは、

「今は果物が体に良いなんて言えないよ。」果物屋のオバサンです。

店頭で汗を拭きふき「今日はこっちを持ってきな。」なんて言いながら、

こっそり「今の果物は甘いばかりで酸っぱくなくなっちゃったからね。」

私の好きな酸っぱくて安い葡萄なんて、採算に合わないからお店には出ない。

だからかな、オバサンの果物屋も間もなく無くなってしまった。