損をしないための秘訣は

 報道に惑わされない

先週の日本株は、まるでジェットコースターのような動きでした。

5日からの日経平均《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

新聞1面は「日経平均ブラックマンデー超えの4451円安、過去最大」です。

でも、株価が2万円台の時と、3万円台の時の下げ幅を比べて

ブラックマンデー超えと言っても意味がありません。

下げ幅ではなく率で見ると、ブラックマンデーは14%の下落、今回は12%の下落ですが、

翌日は10.23%の大幅上昇です。

報道の中には、必要以上にセンセーショナルに取り上げ、

実態よりはメディアのインパクトで、

冷静な判断が妨げられているのではと危惧してしまいます。

株式市場に変動はつきものです。

過去の市場暴落《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

20%以上の下げは過去何度もあり、

リーマンショック時の世界株安では下げ幅は45%(米株は50%)でしたが、

いずれもその後は大きく反発しています。

今回は過去の米国発の暴落ブラックマンデーやリーマンショック、

コロナショックのように、その原因となった強いトリガーが見当たりません。

 売り手は誰か

年初からの日本株上昇は海外勢の日本株買いによるものでした。

ところが、日銀が利上げを決定すると日米の金利差が縮まり円安が是正されると見込み、

買いポジションから一気に反転日本株売りに回りました。

もう一方の売りの主役は信用取引をしている個人投資家です。

証券会社で売り注文の電話が止まない様子がTVニュースで流れましたが、

「典型的な追証回避の売りが殺到していた」とのことです。

海外投資家でも、

長期運用を前提にした年金基金などを顧客に持つ長期投資家は動じていない。

企業価値を分析する投資家の目には急落局面で個別銘柄が安く映る。

「日本企業の業績見通しは良好だ。株価が調整しバリュエーション面の魅力が増した」という。

~8月9日日経新聞より~

 

証券会社などによると、投資のプロでも動揺せざるを得ない相場の急変にもかかわらず、

NISA投資家は「長期、積み立て、分散」という資産運用の王道に沿って行動しているようだ。(時事通信) 

 

「NISA利用者の間では短期の変動を気にしない人が増え、

投資信託を売却するなどの動揺はさほど見られない」(楽天証券)

売り手は、一部の海外投資家やヘッジファンドと信用取引で損切を迫られた投機筋で、

NISAの個人投資家は売っていないようです。

首相の「冷静に」との呼びかけも必要ないくらい、一喜一憂することなくNISAを継続している。

これぞNISAの効用のひとつの側面ですね。

マーケットが下落している時に売ることは、損失を招く結果となります。

投資家の一番の後悔は、

「なんであの時売ったのかなぁ。売らずに持っていれば今頃は。。。」です。

 損をしないために

分かっていても、評価額が下がると少しは動揺しますよね。

保有額が下がっている時はポートフォリオを見直チャンスです。

1)現金と投資資金のバランスを確認

慌てて損切せず、次の上昇をじっくり待つためにも、

どのくらいの現金(預貯金)があれば動揺しないで済むか。自身の適切な割合を見極めます。

適切な現金を持つことで投資の継続が可能です。

2)リスク許容度の確認

「長期・分散・積立て」が10年以上可能であれば、株式一択でもよいかも知れません。

もし、ポートフォリオが株式一択で不安なら、バランス型を組入れてみる。

リタイア世代は、投資方針が自身のリスク許容度に合っているか、

株式の比率は適切かを判断します。

3)慣れる。

相場はまだまだ不安定ですし、大きな下落は今後何度もあります。

投資とは下落があるからこそ上昇する。

そんなものだと、気長に構えられるように下落相場に慣れる、

感情に流されないよう経験を積むことも投資の意義です。

当たり前のことですが、下がった時に売らない!が、損をしない秘訣です。

楽しみながら、学習しながら、ゆっくり投資が良い結果をもたらします