新NISAが始まり1カ月が経過し、これまでの動向が報告されております。
新NISAの購入額は1ヵ月間で1兆8000億円超えとのことですから、凄い!
これまでのところ、NISAの制度改革は大成功と言えそうです。
まずは、みんな新NISAで何を買っていたのかが気になるところです。
(SBI・楽天等)ネット証券では59%が投資信託を購入し、
(野村・大和等)対面証券では71%が個別株式を購入しています。
若い人の利用が多いネット証券では「つみたて枠」を利用した投資信託の積立て。
中・高齢者層の顧客が多い対面証券では7割が個別株。
証券会社も二極化のようです。
購入している投資信託でみると、
1位がオルカン(全世界株式オールカントリー)、2位が米国株(S&P500)、
3位以下を見ても10番目のインド株以外は全て世界株と米株です。
上位10位以内に日本株投資信託は1本もありません。
個別株式の方は、
高配当株式のオンパレードです。
1位のJTの配当金は約5%、2位の三菱UFJフィナンシャルグループは約3%です。
こうして眺めてみると、納得しつつもなにか喉に閊え
(門の中に山があり、つかえと読みます。漢字って凄い)
ストンと落ちないもどかしさを感じます。
オール海外株でいいのかな
NISA制度には2つの目的があります。
一つは、米国や英国に比べ金融資産からの収益が少ない日本の家計資産を増やし、
賃金収入を補う役割を担うこと。
もう一つは、2000兆円からの家計金融資産を投資に振り向けることで
企業の成長を促し、日本経済の底上げを図る。
この2つが合いまり、消費や投資が増え社会全体が潤う好循環を生むことです。
NISA投資の8割が一握りの低コスト投信に限られ、
日本株ファンドや高い収益を狙うアクティブ投信は不人気とのことです。
1位の全世界株式(オールカントリー)は世界中の株式に投資するもので、
一つの投資信託でも分散投資が叶い、正に投資信託の真骨頂と言えます。
ただし、中身は
米国株式が62.3%、
日本株式は5.5%、
先進国が89.3%、
新興国が10.7%の割合で
オルカンと言っても、
各国に均等に投資されている訳ではありません。
6割以上が米国株式です。
2位以下のS&P500、NASUDAQ100、全米株式とも米ドルでの投資です。
そうなると、気がかりなのは為替です。
為替が動く要因は様々ですが、
NISAマネーが増えれば増えるほど円安ドル高が進む懸念があります。
1月からの新NISAの動きを見ると、圧倒的に投資先は外国株式です。
投資先が海外ばかりに偏重し過ぎるのはどうなのか。
円安がインフレをもたらすと、生活物資は値上がりします。
そうすると海外資産を持つ人とそうでない人の差が生じ、
折角のNISAも社会の公平性を損なうことにもなりかねないのではと危惧します。
日本企業の発展のためにも
日経平均株価が1989年末の38,915円に迫る勢いです。
先月だけでも、日本株のリターンは +7.8%と、外国株式の+4.3%を上回り、
22年末からの騰落率では、日本株が一番上昇しています。
ただし、この上昇は海外からの買いがもたらしたものです。
日本株上昇の恩恵の多くは海外の投資家が受取り、
日本の個人投資家は国内株より収益の低い海外株に投資している。
先のオールカントリー、米株にしても
価格上昇の3割くらいは円安効果によるものと言われます。
対面証券会社で買われているのは、高配当株式です。
配当金は投資収益を定期的に受取れますが、成長株よりは老舗の安定企業株です。
また配当金は一定ではありません。減配もゼロ配当となることもあります。
何より銘柄選びが難しいかもしれませんし、纏まった金額が必要です。
海外株も日本株にも分散できる
そこで、投資信託です。
NISAの成長投資枠なら、高配当銘柄からなる投信を買うことができます。
それこそ対面証券会社で買われている
高配当株1位から10位までの全ての銘柄が網羅された投信もあります
個別株と同様に分配金が年2回受取れるものから、年4回のものなど個別株より多様です。
NISA口座の投資は、海外株ファンドだけの一択、
あるいは日本株は高配当株式だけでいいのかな。
・海外株投信だけではなく、国内株投信を組入れることでより分散が効きます。
・高配当株だけではなく、日本の将来を担うであろう新興企業やグロース
(成長株」やバリュー(割安株)への投資で守りと攻めの投資となります。
果たしてNISA口座は海外株式だけでいいの? 日本株は高配当株式だけ?
喉の閊えの正体は、この辺りでした。
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