「企業型確定拠出年金DC」という器
先週、社会福祉法人さんに「企業型確定拠出年金DC」の制度説明に伺いました。
「企業型DC」を事業所として導入するかどうかのヒアリングのためです。
参加者は各事業所の所長さんや事務担当者様、制度に興味のある方約20名。
皆さま熱心に聞いて頂き、1時間の予定が2時間近くに及び質問も沢山頂きました。
「企業型DC」には3つのパターンがあります。
1)給与上乗せ型(A)は、給与とは別に事業主が掛け金を負担します。
2)選択制(B)は、希望者のみが加入し、掛金は給与の一部を拠出年金とします。
3)(A)+(B)は、事業主がベースの部分を負担し、希望者は掛金を拠出できます。
今回ご提案しているのは、「選択制」です。
事業者は、制度運営の費用を負担しますが、掛金の負担はありません。
事業所としては、「確定拠出年金」の器を作って頂くことになります。
質問百出
参加者の皆様からは予想以上に多くの質問を頂きました。
Q.55歳です。10年以上掛けないと60歳からはもらえないのですね。
A.55歳加入では63歳からの受取りとなりますが、
貴事業所は定年が65歳なので65歳迄加入できます。
在職のままでも63歳になれば受取る権利が発生します。
Q.「選択制」では確定拠出年金に加入すると、厚生年金が少なくなるのですか。
A.お手元の資料例では65歳から平均余命まで生きたとして、
トータルで約76万円厚生年金(報酬比例部分)は少なくなります。
掛金によって社会保険料の等級が変わるためです。
ただし確定拠出年金の積立分が700万円以上となっています。
併せて、社会保険料と税金が150万円近く負担軽減となっていますよね。
Q.個人型iDeCoに加入しています。企業型DCと併用できますか。
A.併用は可能です。ただし、企業型と合算で55,000円以内となりますし、
iDeCoの上限は20,000円となります。
Q.企業型DCとiDeCoの違いは何ですか。
A.加入上限はDCの方が多く、尚且つ口座管理の経費は事業主が負担するので、
iDeCoのように掛金からは引かれません。
他にも、ふるさと納税とは関係してきますか。
DCの運用商品はどんなものがありますか。
S&P500は、信託報酬はどうですか。等々、時間が足りない。。
ちょっと驚きの説明会となりました。
既成概念をブラッシュアップしなければ
参加者の1/3位の方が、既にiDeCoに加入していました。
(だから、みんな分かっているからこんなに質問が多い)
反対に未加入の方は、同僚の質問の様子にちょっと驚かれたかもです。
帰り際に、お一人の所長さんと立ち話となりました。
「証券口座を持たなくてもできるDCは、みんなにもやらせたい。」
個人型iDeCoにしても、証券会社に口座開設して始めるNISAにしても、
結構時間と手間がかかります。
なにより、運用商品の投資信託選びが難しいとも仰います。
「企業型DC」の申し込みは、加入申込書1枚を事業主へ提出するだけです。
iDeCoのように自ら書類を取り寄せる手間もありません。
制度説明や投資教育もあるので分からないことは質問できます。
今回の説明会は、私の既成概念が覆された思いです。
・確定拠出年金を実施している人は少数派ではない。
・投資信託での運用を敬遠する人の方がむしろ少数派かも。
理事長さんにご提案してから何度も意見交換し、実現した説明会でしたが、
iDeCo加入者にしても想定より遥かに多く、皆さん意識の高い方ばかりでした。
皆様の周りでも、うちの会社「企業型DC」やってくれないかなぁ。。
と、思っている従業員さん実は多いですよ。
私共では、一人から実施できる確定拠出年金をご案内しております。
まだ企業型DC、ご存じない事業主様がいらっしゃいましたなら是非ご紹介下さい。