高齢者は全部定期預金でいい!?

 お金の整理をしたい

「80歳を過ぎて、お金の管理が煩わしいので整理をしたい。」とのことです。

お聴きすると、銀行口座はたぶん4つくらいあり、

証券会社は銀行系と大手証券会社、ネット証券3つをお使いでした。 

更に、独立系直販の投信会社3社の投資信託をお持ちです。

彼女とは15年以上前からの知り合いで、海外生活の経験も金融知識もありの意識の高い方です。

そんな彼女でも、加齢とともにいろんなことが面倒になってきているとのことでした。

米国に暮らす一人娘のためにも、なるべく相続で煩わせたくないとの思いもあります。

「お金の整理どうしたらいい?」との、ご相談です。

まずは、銀行口座です。

ネットバンキングはご利用がないとの事で、自宅の近くの銀行、ATMの利便の良い1行に絞る。

次に、別々の販売会社にある投資信託です。

「理念は良いけれど、それだけではね。」こちらは、マイナスではないものの

パフォーマンスは決して満足のいくものではなかったようで、全て売却でもよいとのこと。

3つの証券会社は、なんとNISA口座は何処にも開いていませんでした。

「特に勧められなかったし、やり方も分からなくて」。

証券口座は、投資信託があるものの株式が主で、

管理は年に1、2度送られて来る報告書で、適時の評価額は分からないとのことです。

遠方のお嬢さんとのコミュニケーションもままならず、なんとなくこんなになってしまったの。

 どんな整理が良いのか

ポイントは、

1.ペイオフを考慮しつつも銀行口座を一つに纏める。

2.投資信託売却後のお金を何処に移すか。

3.証券口座をどう使うか。

投信売却後のお金は定期預金か、個人向け国債にと提案しました。

「個人向け国債」は候補にはあがったものの、

購入には国債専用口座の開設が必要で、これまた手間と新たな口座が増えるので、

結局、定期預金に落ち着きそうです。

ただし、預金金利はこれから上がりそうですので、せいぜい1年定期位までです。

また、メガバンクであれば、ペイオフの心配は今のところ杞憂かもしれませんので、

利便性と管理の簡素化を優先し、投信売却後の資金は定期預金です。

問題は証券口座で、ここが悩ましい。

証券会社も3つに別れたままでは、売却時に確定申告が生じることもあります。

で、残すのであれば銀行と同列の証券会社が良いとのことでした。

ただ、株も投信も日々の値動きが見られないし、気にするのも億劫でどうしたものか、

やっぱり全部売却して定期預金1本にしようかしら。。。

証券口座でお持ちの金融商品は全て開示して頂いてはないのですが、

株式は配当金を受け取っているとのこです。

直販会社の投信の内容は理解しているものの、

証券会社にあるものは勧められるままに買われたようです。

 株式は残すべき

“全部売却して定期預金へ” も有りですが、折角配当を受け取っているのでしたなら、

株式は銀行系の証券会社1社に纏め(他の証券会社にあるものは移管する)

現在お持ちの株式だけは残されることをお薦めしました。

株の配当は年金以外の定期収入で、

例えいくばくかでもフローの所得は使えるお金です。

その意味では、高齢者こそ持つべき資産と思います。

できればNISA口座を開設し、そちらに移し受取り配当金に税金がかからないようにしたいところです。

※特定口座から直接NISA口座に移すことはできませんので一旦売却後買戻しです。

株は日々値動きがありそれを気にするのが嫌だ、

いざ株を買おうとしても纏まったお金がない、銘柄選びは難しい。

1株だけ持っていても会社が倒産すると紙くずになる。

個別株を買うとなるとそれなりの勉強も情報収集も必要で、結局ハードルが高い。

個別株は買い辛いとしても、

投資信託なら個別株と同じように年2回配当を受取れるものがあります。

そもそも投信は複数社に分散投資ですので、紙くずになることはありません。

専門的な勉強をしなくても、日々株価チャートを気に掛ける必要もありませんし、

値動きだって、個別株よりは緩やかです。

日経平均高利回り配当株ファンド《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

投資信託なら、10,000円でも高配当株式ファンドを買うことはできますし、

配当金も受取れます。

元本の値動きはあるもののインカムゲインを得られるのは悪くありません。

高齢者は、80歳を過ぎたら銀行預金だけで良いは、正しいでしょうか。

個人の意向次第ですが、低金利の銀行預金よりは、

せめて配当を受取り、元本は次世代に残すのも一つの選択肢と思います。

投資信託は増やすだけではなく、有効に使うための預け先でもあります。

まずはNISA口座を開設することです。

まだ開設されていない方はご相談下さい。

 

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