芸人の光浦靖子さんは、カナダ・バンクーバーに留学中です。
先日のネットニュースに、“貯金女王”光浦さん借金を懇願”とありました。
光浦さんはお笑い芸人ですので、半分冗談かもですが、いやいや見過ごせない。
昨今の物価高と円安の影響 で、5年間は大丈夫と見込んだ留学費用は、
2年がギリギリ位に。何しろ「この2年で物価が1.5倍」、
無駄遣いもしないでコツコツ貯金したお金が円安とインフレで半分になってしまった。
コストプッシュ型インフレ
2022年からのインフレは欧米では8%~9%と、
日本の物価上昇とは比べ物にならないようです。
持続的に物価上昇が続く状態がインフレ、反対に物価が下がり続けるのがデフレです。
今回のインフレの原因は、
・コロナ禍を起因とした、巨額の財政支出と金融緩和
・ウクライナ戦争による原油や穀物価格の上昇
・サプライチェーンの混乱による、半導体をはじめとする供給不足
その他にも、人手不足や、貯蓄の積み上がりなども物価上昇の要因となります。
今回のような、供給が減ったことで値段が上がるコストプッシュインフレは、
中央銀行の金利操作が効きにくい厄介なインフレです。
ディマンドプル型インフレ
一方、好景気によりモノがよく売れ需要が供給を上回り、
モノの値段が上がるインフレはディマンドプル(需要)インフレです。
日銀が目指したのは、デマンドプルインフレで、
賃金が物価上昇を上回る心地よいインフレです。
残念ながら、未だ達成できていませんが、
2024年こそデフレを脱却し、企業は値上と賃金上げで景気浮上となるのか。
先週からの急激な株価の上昇は、多分に海外投資家の期待感のようです。
欧米のインフレは、コストプッシュとディマンドプルが入り交じるものの、
景気の腰折れも回避できそうとのことで、金利引き下げ論の方が優勢のようです。
スタグフレーション
ただし、ホルムズ海峡も波高しで世界情勢は流動的です。
もし、石油が入って来なくなってしまったら。。。
コストプッシュインフレは何がトリガーとなるか分かりません。
カナダ留学の光浦さんではありませんが、
あっという間に物価が1.5倍に跳ね上がるようなことが実際に起きているんです。
コストプッシュインフレが続くと、景気が良くないのに物価だけが上がる
スタグフレーションに陥り家計を逼迫します。
無駄使いもしないで、コツコツ貯金して車も家も買わなかったのに、
お金が足りない。お金の価値が半分になってしまった。
こんな状態は避けたいですよね。
「お金稼がないとそろそろヤバい。」と
光浦さんのようにすぐに稼げる人は良いのですが、
リタイア世代にはハードルが高いかもです。
インフレになった時、最も重要なのは収入の確保です。
年金は固定収入ですが、増える見込みはありません。
頼りになるのは、自らの自助努力で作った資産からの収入です。
「企業型確定拠出年金DC」は最も有効で確実に老後資金を作れる手段です。
勤め先に企業型DCがない方は、個人型iDeCoやNISAで積立て投資を続けることです。
20年後、やらなかったことに失望する・・・、ことがないように。
リタイア世代も“貯金女王”ではなく、
インフレ耐性のある株式へ、NISA口座へお金を移して行くことです。
1月も半ばです。まだの方は早速始めて下さい。