「二百三高地」と「連合艦隊」

 

2024年の元旦は、

新年のお慶びを申し上げます。

 

とは、言いにくい幕開けとなってしまいました。

 能登半島地震に被災された方には

心よりお見舞い申し上げます。


皆さま、お正月はどのようにお過ごしでしたか。

私は、ネット配信で「二百三高地」と「連合艦隊」2つの映画を観ました。

どちらも古い映画で、若い方は題名の意味も分からないかと思います。

私の中では、日本映画の一押しは「二百三高地」なのです。

昨年亡くなられた谷村新司さんの『群青』のメローディーと共に、

いくつものシーンが浮かびます。。。

いえ、違います。大間違いでした。

私の長年一押しの映画「二百三高地」の挿入歌は、、、

谷村新司さんの『群青』ではなく、

さだまさしさんの『防人(さきもり)の詩』でした。

気づいたのは、谷村新司さんの逝去の報に接してでした。

谷村さんの楽曲では『群青』が一番好き、映画「二百三高地」と共にある。

はずでしたが、なんと『群青』は映画「連合艦隊」の主題歌でした。

「二百三高地」が1980年、「連合艦隊」が1981年の封切りですが、

「連合艦隊」は映画があったことすら知らず、観ていません。

「二百三高地」の方は、日本映画の中では一番と胸を震わせていたのに、

その主題歌が記憶の中ですり替わってしまいました。

で、お正月になったなら、2つを観てみようと、決めていました。

二百三高地と連合艦隊《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

 二百三高地

「二百三高地」は日露戦争の旅順を巡る戦いです。

第1に脚本がいい。CGなしの映像が素晴らしい!どのエピソード シーンも!

さだまさしさんの絞り出すような熱唱も。。。!!

“ 教えて---下さい~

この世に生きとし生けるものの

すべての生命に限りがあるのならば

海は死にますか 山は死にますか

風はどうですか 空もそうですか

教えて---ください~ “ 『防人の詩』より

日露戦争や乃木希典将軍に対する評価はともかく、

今そこで命を燃やしている、旅順要塞の攻防を俯瞰的に淡々と描いています。

2夜続けて観てしまい『改めて私の中では一押しの映画』を噛みしめました。

 連合艦隊

「連合艦隊」は、バルチック艦隊を破った東郷元帥ではありません。

時代は昭和、山本五十六連合艦隊司令長官、16年の太平洋戦争から

沈みゆく戦艦大和と特攻隊員の話しです。

戦艦大和に乗船するのは財津一郎さん演じる下士官の父親。

その大和を援護すべく志願して飛び立つ中井貴一さん演じる特攻兵の息子の最後の言葉、

「親よりも少しだけ後に死ねることがせめてもの親孝行」。

“ 空を染めて行く この雪が静かに

海に積もりて 波を凍らせる

空を染めて行く この雪が静かに

海を眠らせ  あなたを眠らせる

・・・・・ ” 『群青』より

主題歌『群青』は沈みゆく戦艦大和と共に散って行った兵士達と

死地に飛び立つ特攻隊員への鎮魂歌。

一押しの「二百三高地」の映画と、聞く度に鼻の奥がツンとなる『群青』が

いつの間にか一体となってしまいました。

それが違っていたことが分かった今も、

どちらの映画、どちらの主題歌がたすき掛けになっても全く違和感がありません。

さだまさしさん、谷村新司さんの素晴らしい詩と楽曲、

“人に愛と犠牲がある限りその民族は滅びない・・・・・ ”「連合艦隊」より

2つの戦争で散って行った命への挽歌。

 そしてこの人も

いつの時代も、贖い難い災厄や不条理は存在します。これからもきっと。

その度にこの国の先人たちは、静かに受け止め、

“ わずかな生命のきらめきを信じていいですか

言葉で見えない望といったものを

去る人があれば 来る人もあって

欠けて行く月も やがて満ちて来る

なりわいの中で~ ”『 防人の詩 』より

坂本龍馬《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

本年もよろしくお願いいたします。