「専業主婦なんて、絶滅危惧種ですよね。」
夫の扶養に入る、いわゆる家事専業の主婦ってどのくらいいるのでしょうか。
専業と言えど、130万円以内で働いている主婦の方が圧倒的に多いはず。
そこに対して、独身者の厚生年金で賄うのは腑に落ちない。
ましてや掛け金を払っている第1号被保険者と同額の年金が貰えるなんて。
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ずっとシングルの低賃金派遣で働き、
派遣先によっては国民年金と厚生年金の行ったり来たりで、
その度にiDeCoも含め手続きが大変とのことです。
それでも国民年金を払い続けているが、
同僚の多くは第3号被保険者の専業主婦で羨ましい。
「僕は父さんのような人生は送れない。」
たまたま「就職氷河期」に遭遇し、
就職活動はしたものの大学卒業後1度も正社員になれなかった男性も、40代の半ばに。
父親は終身雇用で終え退職金も十分な年金もあり、老後生活の心配はない。
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流石に将来のことを考えるようになったが、
今の状態では十分な貯蓄なんて所詮無理。
生まれた時代によって、こんなに差が付く。
年金だって、割を食うのは
俺たちの世代。
「今、家の中で老人が虐待されないのは高額の年金が貰えているから。」
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母親と一緒に年金を貰うようになりました。
ところが、92歳の母親の遺族年金の方が遥かに多い。
おばあちゃん、長生きしてずっと年金貰ってね。。。
日々、確定拠出年金やNISAでお会する方の共通する話題は「年金」です。
年金はその方のシチュエーションにより想いは様々です。
不都合な真実
来年夏ごろ実施される、一人当たり4万円の減税、
住民税非課税世帯に7万円の給付は総額で4兆円の規模になる見通しとか。
ところがこの法案、賛成者より反対者の方が多いようです。
何しろ日本の財政状況は先進国最悪で「国の借金」は1200兆円。
この不都合な真実が一時的な減税を喜べず、より将来不安を募らせる。
「高齢期と年金制度の関わり」をテーマに10月24日に開いた社会保障審議会の年金部会。
出席者から「非常に多くの現役世代が年金額が下がることに不安を持っている」との声が出た。
ー11月23日日経電子版ー
2004年から、年金の支給抑制を目的とした「マクロ経済スライド」が導入されましたが
政治的な配慮で予定通りには機能していません。
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因みに24年の年金支給額は名目は増えるものの
現役世代の賃金伸び率3%に対し、
マクロ経済スライドの発動で
年金額の改定率は2.6%に抑えられ
現実の物価上昇に年金額は追いつけません。
今後このマクロ経済スライドが
厳格に発動されると実質年金額は
インフレの進行が進むにつれ目減りします。
ここに来ての物価上昇は、一過性ではなく
持続的でデフレの時代には戻らないとの見方もあります。
年金にも苦しめられる氷河期世代
改革先送りのツケ ー2023年11月21日 日経電子版ー
更に、マクロ経済スライドで抑制しきれなかった年金は、
将来世代が負担を迫られる「暗黙の債務」として積み上がるらしいのです。
この見えない債務は1000兆円以上で、国の借金とほぼ同額らしい。。。
非正規で働く人の割合が4割近い現状では、
全ての人が十分な賃金を得るのは難しく、
長寿の時代、年金だって、親に頼りたくなるかもです。
2040年頃、年金世代になるのは正に「就職氷河期」世代。
安心して下さい、
下図は1989年の日本バブル崩壊前、2000年のITバブル崩壊前、
2007年のリーマンショック前、2019年のコロナショック前の
最高値から毎月2万円積み立てたときの結果です。
1989年の日本バブル崩壊前からの32年間の積立額合計768万円は、
米国株式型では6,046万円に、外国株式型は4,761万円に、
国内株式を組入れた内外株式型では2,733万円になっていました。
同様に、ITバブル崩壊直前から積立を始めた524万円は米国株式で2,410万円、
中リスク型でも958万円、リーマンショック直前から始めた元本340万円は
内外株式で857万円になりました。
コロナショック直前からの2年間の積立額48万円も
どの預け先でも元本割れにはなっていません。
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米国では、確定拠出年金401Kだけで6000万円~7000万円の資産を作るそうです。
自国の株式に毎月2万円の積立で32年後、6,000万円が出来る。納得です。
安心して下さい、毎月2万円の積立でも大丈夫です。
日本に居ても、確定拠出年金、NISAで米国株も外国株式も、
内外株式型も、高・中・低リスクのバランス型も全て投資信託のメニューにあります。
公的年金だけに頼らなくても、補完できる年金作りは可能です。
秘訣はできるだけ早く、出来るだけ長く、積立を継続することです。
24年からのNISAは一生涯持ち続けられるので、
長期にはやはり株式投資が勝ります。
確定拠出年金、NISAでは何に投資したら良いのか、上図は参考になります。