いちごアセットマネジメント株式会社は、
主にオフィス、ホテル、インフラに投資する日本最大級のファンド運用会社で、
率いるのはスコット・キャロン社長。
「国と言うのは国民、日本人ですよ。私は日本人に深い尊敬、深い感謝をしているし、
日本人のために尽くしたい。」と仰います。
社名の「いちご」は「一期一会」に由来し、
「人との出会いを大切に」という精神を企業理念にしている。
そのいちごアセットマネジメントへの運用資金の出し手は、
海外の大学基金や非営利の財団が7割で、国内の資金は集まり難いそうです。
何故、日本国内から資金が集まらないのか。
理由は、いちごアセットは長期投資を実現するために
3~5年の解約制限を設けているため日本の機関投資家からは理解を得られない。
一方、海外の大学基金や投資家は3~5年の解約制限なんて全く問題ない。
投資先の企業にも長期運用であることを伝え、
投資先企業が大変な時こそ株主として必死で支える。
いちごアセットが掲げるのは「日本を世界一豊かに。」です。
長期投資とは何年なのか
SBI証券の口座開設時の質問項目に「投資期間は何年(想定しますか)」があり、
1.長期(3年以上)、2.中期(1年~3年)、3.短期(1年未満)の3択です。
3年なんて短期だよね。いくらネット証券だって長期なら少なくても7年以上ないと、
欧米とは随分認識が違うなぁ、と常々思っていました。
投資をするとき、ある程度は期間を意識します。
・子供の大学資金を作りたい
・60歳の定年までに といった具合で、目標と言えるかもしれません。
下図は、毎月株と債券に同額ずつ積立をしたときの結果です。
投資期間5年では、全ての人が確実にプラスの結果とはなりません。
どんなに腕の良い運用者でも、100%の結果を求めるのは酷です。
5年であれば、元本割れのない銀行預金などの投資先にすべきです。
ただし、保有期間が20年になると、全ての投資者がプラスの結果となっています。
100万円が185万円~321万円の間にあります。
値動きのあるものに投資するとは、長期投資とは、
直ぐに結果が出るものではなく、期間5年ではないことが分かります。
ところが、日本の機関投資家には5年くらいの解約制限期間に理解を得られず、
いちごアセットは『ふざけるな』と怒られたこともある。
神業のような投資成果を求めるようです。
もう一つ、100万円投資した場合の過去20年のターン実績を示しておきます。
100万円を20年預けた場合、現預金では101万円なのに対し、
日本株以下はどの投資先でも100万円を大きく上回っています。
インデックス型の日本株投信や世界株投信でも十分叶う成績です。
2024年からのNISAは、預入期間が無期限となりましたが、
23年までのNISAは非課税期間が5年でした。
まるで、5年で結果が出ますよ、との暗黙の意図がありそうでした。
ようやく、長期投資の土俵が出来たように思います。
個人に金融リテラシーを求めるより先に、運用会社や販売会社、
機関投資家も含め長期投資の認識を改め、真に投資家に報いる運営者となって欲しい。
投資者も資産運用とは、値動きのあるものに託すとは、
長期の取り組みでなければ結果に繋がらないことを理解しなければです。
24年からのNISA口座は長期投資に資する制度です。
十分に使いこなして下さい。
日本人は、真面目で勤勉、そして「質」をとても大事にすると思います。
日本社会の最大の強みは、「一般人」です。
これからは、労働力不足と高齢化が問題になってきますね。
どうしたら豊かな社会を維持できるかと考えると、
やはりリスクテイクするべきだと思います。
これまでの「ロー・リスク、ロー・リターン」ではなく、
これからは「ミディアム・リスク、ミディアム・リターン」ぐらいをめざす。
それが二極化現象のバランスを取り、階級社会を免れるキーになると思います。
そして、リスクを負うことができる人たちを「よくやった」と
評価できる社会にならなければいけない。そうすれば、日本の未来は明るいと思います
ー スコット・キャロン社長 いちごアセットマネジメントホームページよりー