この差には唖然とします
開いた口が塞がらない、とは驚きよりも唖然とする状況のようで良い状況の時には使わないようです。
でも、やはりこの状況は唖然、開いた口が塞がらない。
“米国の企業型DCである401kに15年継続加入した人の平均資産は44万6000ドル弱(6200万円強)と巨額だ。 ”ー2023年8月24日日経新聞ー
企業型確定拠出年金加入者の平均資産です。
たった15年の積立で6200万円ですよ。
加入期間5年で3000万円以上。
10年で約5,000万円の資産が出来ている!
物価の差があるにしても、米国の平均時給が4,700円、平均賃金が77,463ドル(約1,122万円)なのに対して、
日本の平均賃金は41,509ドル(約601万円)なんて聞くと、またまた開いた口が塞がらない。 (2022年時点)
米国の401K 掛金にしても上限は年6万6000ドル、
日本の企業型DCの年66万円の10倍以上と比べものになりません。
それにしても日本の感覚では、サラリーマンが10年で平均5,000万円の資産を作るなんて驚異的です。
401Kは老後資金を作るためのもので、当然老後所得も日米では差が生じます。
日本の高齢世帯の平均所得が318.6万円なのに対し、米国は倍の629.5万円。
悔しいことに、日本の現役世代の所得560.2万円より多いのです。
収入の差があるにしても、この違いはどこから来るのか。
日本の家計金融資産は約2000兆円ですが、
預け先の半分以上が預金です。
仮に米国並みに株・投信を保有していたなら、
なんと3990兆円となり、
本来得られるはずの2000兆円近い利益を失う
機会損失だったことになります。
iDeCo・NISAじゃダメなんです
投資経験のない人に、
どんな条件になれば投資をするかを尋ねたところ、
・どんなことがあっても投資はしない
・絶対に損をしなければ
の答えが全体の60%です。
リスクを取るようなことはしたくないということです。
15年で平均6200万円築いた米国の401Kの実績を広言しても、
r>ℊ(資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも大きい)を唱えても、
大方の人の行動は変わりません。
米国は、「人はリスクを避けがち。401kでは自然に投資に誘導し、
いつの間にか資産が増える仕組みにしている」
401k導入企業の多くが全員を自動加入させ、一定期間ごとに積立額も自動的に増やす仕組み。
英国は、「2012年以降すべての企業の従業員は原則 DCなど企業年金に加入し、
給与に対し一定比率以上を拠出させる。」が法律で義務づけられました。
オーストラリアは、18歳以上全員が企業型DCに強制加入で、
給与の1割強の拠出を企業に義務づけています。
49歳で「資産は26万8000豪ドル(約2500万円)。
海外旅行も楽しめる快適な引退生活が送れそう」と老後不安どころかリタイアが待ち遠しい。
日本の企業型確定拠出年金DCの普及率は、どのくらいだと思いますか。
日本の企業233.7万社のうち、DC導入企業は35,177社・・・、1.5%です。
(平成30年度末)
来年から新NISAが始まりますが、残念ながらNISAではすべての資産形成世代に届きません。
どんなに良い制度であっても、能動的に動けるのは一部の人です。
iDeCoも同じです。老後資金作りは個人の判断、選択に託すべきではありません。
NISAやiDeCoを待つ人と、そうでない人の格差が拡大することを危惧します。
国連の掲げるSDGsの精神は、「だれひとり取り残さない」です。
日本も米国、英国、オーストラリアのような親心パターナリズムで、
みんなが豊かな老後を迎えられる制度として、企業型DCの拡充普及を目指すべきです。
30年後を見通すならNISAより企業型DCの拡充こそが必須です。
1人でも多く、一社でも多くの企業に 「企業型DC」 を届けたい思いでおります。
皆様のお知り合いで 「企業型確定拠出年金DC」 まだの事業所がありましたなら、
是非ご紹介お繋ぎ頂けますか。