アップルの預金サービス
米国の地銀破綻が続く中、アップルが預金サービスを開始しました。
残念ながら米国内だけですが、金利は日本の普通預金0.001%の4000倍の年4.15%です。
4日間で集まった預金額は約1350億円とのこと。
口座を開設できるのはiPhoneユーザーで、
かつ同社のクレジットカード「Apple Card」保有者です。
アップルは銀行ではないので、
提携する米ゴールドマン・サックスの普通預金口座をWalletアプリで開設する。
アカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料でできる(らしい)。
まだざっくりとしたことしか分かりませんが、
クレジットカードと貯蓄口座を1つの画面で管理する
「Apple Card Savings」
それにしても凄い。
今まで銀行口座を作れなかった人、クレジットカードを作れなかった人も
iPhoneを持ち、AppleCardを作れば、高い預金利息を得ながら、
支払いも、買い物もクレジットも組める。
大方の預金者は、銀行との付き合いは振り込まれた給与から支払いをするくらいで、
住宅ローンならなるべく条件の良いところを探しますよね。
iPhoneユーザーなら、銀行いらないかな。(米国の話しです)
でも、なぜ、無条件にiPhoneユーザーに与信を付与できるのか。
何故そんなに高い金利を付けられるのか。
アップルは、Apple Cardのユーザーの返済行動から
「iPhoneユーザーは、より信用に値する」というデータを得つつある。(らしい)
アップルが金融サービスを提供する理由は、アップル内で全てを完結し、
顧客を囲い込み機会損失を防ぐ。トータルで見ると4.15%の金利は高くはないようです。
ゴールドマン・サックスが預かるのであれば、4%はお手のものでしょう。
銀行との付き合い方
日本もアップルのような金融サービスを提供できる企業が出てくるのでしょうか。
銀行経営者は、アップル預金サービスが日本に上陸しないよう祈るばかりなのでしょうか。
三菱UFJ銀行は10月から店舗とATMでの振込手数料を引き上げるそうです。
ネットは据え置いたもののゼロ円ではありません。
費用負担が重く、利益が出にくい構造の日本の銀行では致し方ないのかもしれませんが。
〝米国や欧州の銀行の店舗の接客は富裕層向けのウェルス・マネジメントなどの業務に特化している例が多い。
送金はネットを通じた送金や小切手の使用が一般的だ。日本でも送金はネットへの移行が進むが、
なお高齢者らへの対応で店頭での手続きが一定の割合を占めてきた。 〟
ー2023年4月27日ニッケイ電子版ー
ネット銀行も上場し信用力を増し、以前ほど店舗がない事に不安感を持つ人は少ないと思われます。
電子マネーに給与振り込みができるようになるなど、キャッシュレスは実は便利、
振込だってネット経由なら銀行窓口に並ばないで済むし、手数料も安い。
米国のような新陳代謝を促し、より良いサービスの提供を受けるには、
生活者自身の行動変容が一つの鍵なのかもしれません。