ポートフォリオをどうするか
福島市を訪れるのは3回目です。
今回は「企業型確定拠出年金DC」を導入頂きました、ケーエフエスグループ様の
第2回目の投資教育です。
投資教育なんておこがましいのですが、確定拠出年金は老後資金を作るためのものです。
加入者は全員DCをやって良かったと、結果に繋がらなければなりません。
運用の基本的な事を知って頂くためのものです。
DCを始めるにあたり悩まれるのがお金の預け先、ポートフォリオをどうするかです。
株も債券も投資信託も初めての人にとって、
いきなり自分で運用商品を選んでくださいと言っても難しいのは当然です。
講師が銘柄を推奨したり、代わりに運用商品を選ぶことは禁じられています。
魚ではなく、魚の取り方を如何に理解してもらうかが勝負です。
DCを機会に運用に興味を持ち、情報を得、運用経験を積むことで
「老後不安を消し去る」大きな糧となることが、DC導入のもう一つの意義です。
50歳までのポートフォリオ
NISAは一生涯持つことができますが、確定拠出年金はゴールがあります。
最短で60歳、定年が65歳の方は65歳まで、70歳なら70歳まで掛け金を掛けることが出来ます。
60歳までに10年以上ある方なら、DCの掛金は株式主体、それこそ、
(あくまでも個人の見解ですが)全世界株式一択でも良いと思っています。
債券は株式以上に分かり辛く、長期になればなるほど見通しが難しい。
〝債券の投資信託が15年経って初めてマイナスになった。〟
なんて聞くと尚更です。金利上昇による既発債券の価格下落が原因です。
債券は確定利回りなので、発行体が破たんしない限り満期時まで持てば、投資額は償還されますが、
途中の売却は買った時の利率より直近発行された債券の利率が高くなると価格は下がってしまいます。
債券は、国の政策に左右される分が大きいと感じています。
債券の投資信託となると、複数の銘柄が組み込まれているだけに見え辛い。
下図は、株式と長期債、短期国債の保有期間別の実質利回りを示したものです。
保有期間20年では、株式の最低利回りが1.0%なのに対して、
長期債・短期債ともマイナス3%です。
保有期間30年でも株式の優位性は変わりません。
話しが逸れましたが、要は長期的には世界経済の発展がある限り
成長の見込める株式の方が見通せるかもしれません。
20代、30代、40代の人であれば株式投資で良いと思っております。
50歳からのポートフォリオ
ただし、ゴールまで10年を切ると株式一択でない方が好ましいかもしれません。
上図は、2009年から2023年の間の株式と債券の値動です。
2023年2月時点で収益率の高い順は、外国株、新興国株、国内株、
外国債券と新興国債券はほぼ同じ、オレンジの国内債券となっています。
債券は収益では株式に叶いませんが、値動きは安定しています。
債券を組み入れることで、株式一択より下落局面では下げ幅が抑えられます。
年齢によっても異なりますが、債券60・株40、債券80・株20
と言った具合のポートフォリオでも良いかもしれません。
為替ヘッジ付のターゲット型投信は、為替変動もカバーしているので、
ご自分の定年年齢に沿うターゲットイヤーを選べば良いだけです。
確定拠出年金の据え置き期間は最長75歳まで可能です。
たまたま相場環境が悪く下がってしまったなら、半年、1年様子を見ることも出来ます。
DCで運用に慣れてくると、定年でそれまでの積立金を一旦受け取ったとしても、
NISA口座に移し、引き続き運用するのもいいなと思われるかもしれません。
改正NISAの年間投資枠が年間360万円、総枠で1800万円に拡大されましたので、
DCからの受け皿としても十分かと思います。
DCは何歳から開始してもまずは勉強の場と捉え、
金融資産の一部は生涯運用を継続するのが、安心なお金の持ち方です。
ご不明な事はお問い合わせ下さい。