こと年金に関しては、何処の国も同じ課題を抱えているようです。
フランス
フランスは、現在62歳の年金開始年齢を64歳とする
年金改革に反対するデモに100万人以上参加とのこと。
参加者は若者が多く、大学生やなんと高校生も参加し、
〝俺たちが年金を貰う頃には70歳になっている。〟
そんなの嫌だ、不公平だ。との訴えのようです。
新聞には、組合などの反対が強かったため、年金の最低支給額を23年から
月額1200ユーロ(約17万円)程度に引き上げることも提案した。とありました。
フランスの事情が分からないので何ともですが、
64歳から最低でも17万円の公的年金は、日本人からすると羨ましいくも思えますが、
既得権を奪われることと、将来世代に付けが回ってくることへの反発は大きいようです。
ドイツ
社会保険発祥の国ドイツは、会社員か自営業者かで社会保障に差があってはいけないとのことで、
自営業者の保護を強める方向で動いている。
フリーランスやギグワーカーもデジタル上で報酬を把握し、
プラットフォームに共通の基金を作り、健康保険や失業保険、
年金に自動加入するシステムを作るようです。
プラットフォームの基金には、仕事の依頼主が拠出し、
請負側は報酬から社会保険料を自動的に控除するシステムで、
データーとデジタル技術を活用するDX化で仕組みをつくれば叶う。
日本は、全ての企業にパート従業員への厚生年金の適用拡大を目指しています。
フリーランスやギグワーカーも、厚生年金と同等の年金になるような仕組みは必要なはず。
ドイツ式、日本でも出来ないことはないように思えるのです。
イギリス・アメリカ
英国・米国は、自助努力型年金の加入支援です。
英国は中小企業を含む全ての企業に企業年金導入を義務付けています。
従業員は就職時から公的年金以外に企業年金(主に確定拠出年金)があります。
ただし、自分には必要ないという人はプットアウトできます。
加入の是非を問うのと異なり、自動加入なら煩わしい手続きが労使ともに要らない。
その上で、加入しない脱会権も行使できる。掛金は給与の1%分を国が、
本人が4%、企業は3%を拠出し、合計で8%になるとのことです。
公的年金プラスの掛金ですので、老後資金の積立額としては大きいですよね。
米国も、401K (企業型確定拠出年金DC)の自動加入を推進しており、
25年以降に設立する401K には自動加入を義務付ける。
運用先を選べない加入者のためにデフォルトの投資信託を用意するなど、
より使いやすくするため年金法を改定し、
官民ともに老後貧困予備軍を減らすことに取り組んでいる。
日本
2024年は5年に1度の年金改定の年です。
注目されるのは、
①国民年金加入年齢が65歳に、加入期間が40年から45年に延びるのか。
②厚生年金加入期間を、現在70歳から75歳まで引き上げか。
③国民年金受給額は、現状月額6万5千円から5万円に減るのか。
来年から改正NISAがスタートし、より長期的な資産形成が可能となります。
これは政府からのアメなのでしょうか。
一方、公的年金改定は、厳しい内容になるのでしょうか。
老後生活を支えるのは公的年金から、自助努力になるのは間違いないようです。
とは言え、確定拠出年金も、NISAも普及率は2割に届かず、このままでは、
『信じていた年金がこんななの』と、年金貧困に陥りかねません。
ここは英国、米国同様に国が強力な親心パターナリズムを持って、
雇い主経由の自動加入制「企業型DC」を全企業に義務付け、
その上で金融知識がなくても全ての人が資産形成が出来るよう
支援するしかないのではと思っております。
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