大谷選手が広告塔に・・
〝暗号資産(仮想通貨)交換大手のFTXが経営破綻〟
のニュースを聞いても、大方の人にとっては、
関係も興味もないことかもしれません。
が、大谷翔平選手や大阪なおみ選手が、
宣伝にかかわったとして、提訴された。
と、なると穏やかではありません。
ユニフォーム姿の大谷選手が暗号資産を宣伝しているのを見たとき、
彼に相応しくない。こんなコマーシャルでなくてもいいのに。
違和感というより、好感度が引いた思いでした。
いやいや、暗号資産に抵抗があるのは私がオバサンで既に時代遅れだから。。。
暗号資産は、今や多くの人が利用する投資先のひとつ。
金融業界の端くれに居るのだからと、ステーブルコインとは、トークンとは、
テザーとは、知識のフォローアップはしているつもりですが、結局
裏付けとなる資産は何か、価値の源泉は何かはわからないままです。
錬金術かも
FTX社は、暗号資産の取引所とのことです。
仮想通貨の世界は1兆ドル規模といわれ、トークンと呼ばれる電子証明票は、
FTX社のような交換所でしか使えないようです。
銀行に預けたお金が引き出せないようなものなのでしょうか。
と言うことは、いくら〇〇コインを持っていても使えない。
FTX社だけに留まらず、他の取引所からも暗号資産の引き出しが続き、
仮想通貨の価値は下がり続けています。
今回のFTX破たんの報は、(不謹慎ですが)知れば知るほど面白い。
FTX社の破綻で見えてきたのは、まさに錬金術さながらと思えてなりません。
主役は、天才と言われた総資産3兆円超の若干30歳の経営者サム・バンクマン・フリード氏。
彼は、慈善家でもあるらしい。
脇を固めるのは、ソフトバンクや米金融大手のブラックロックなどの出資者。
大谷選手や著名人、政治家さん達も。
・預かり資産の多くが、「FTT」と呼ばれる大量のトークンで水増しされ、
そのFTTを発行していたのが他ならぬFTX社だった。
・ FTX社とその傘下企業は仲介のみならず、自己資金で運用していたほか、
貸し手側にもなり、資産管理の役割も担っていた。
同じ資産を何度も担保に差し入れていたとされる。
・投資家の資産と、FTX社個別の資産が分別管理されていない。
・財務諸表に疑念があり、預託者毎の台帳もなく残高も詳細に把握できない。
・従業員らが住居購入など私的な目的に会社の資金を使っていた。
取締役会が一度も開かれていないとか、フリード氏個人に10億ドルを融資していたとか、
経費支出の申請に上司が「絵文字」で承認する慣行もまかり通っていた。
笑っちゃうどころか、驚きです。企業価値4兆円の会社ですよ。
仮想通貨には投資家保護の機能がありません。
被害にあった預託者が、資産を取り戻すには裁判でしょう。
裁判となると、個人が特定されます。
仮想通貨を利用するのは、政府の統制を逃れたい人。
不正な活動に関わるため、あるいは自国から資金を持ち出すため。
もし、参加者がこういった面々であるなら、そもそも裁判は起こせない。
透明性を優先すると、匿名性を期待する暗号資産顧客には利害の問題が出てきて、
マーケットそのものが成り立たなくなる。
預託者の名簿なんて、ないのが当然。
本来の暗号資産は未来系の決済・投資手段かもしれません。
ただし、FTX社の様子を見る限りこれは演じる側のプレイヤーも、
参加者も承知のうえの出来レースで、結果責任を問うこともできない。
何ともよくできた錬金術の仕組み。(あくまでも個人の見解です。)
FXや仮想通貨を資産の一部に組み入れるかどうかを問われることがあります。
これからは、ジェレミー・シーゲル教授の
『それでも株式が最高の投資先だ!』と、堂々と答えます。