3分の1が年金受給期間
“年金開始年齢を2028年までに段階的に67歳まで引き上げ”
日本の話しではありません。
現在年金開始年齢が66歳の英国では、
2046年までに、更に68歳まで引き上げを進めるとのことです。
年金財源の安定化だけではなく、世代間格差をなくすために、
「成人期間の3分の1を年金受給の期間とする」との考え方だそうです。
なるほど
人生70年時代と、90年生きる時代では、年金開始年齢が同じ65歳でも、
当然貰う期間が違ってくる。
確かに受給期間を「成人期間の3分の1」とすれば、
どの世代でも不公平ではなくなり、別のインパクトもあります。
成人期間の2/3が現役で年金を支払う期間、後の1/3が年金受給期間。
年金を貰う期間が1/3って、結構長くありませんか。
私共の ホームページトップ は以下の文言から始まります。
『労働の対価としての収入は、現時点だけのものではありません。
現役時代の収入の一部は、リタイア後も安心して暮らせるための資金です。』
「成人期間の3分の1が年金受給期間」は、ライフプランがより具体的にイメージしやすく、
リタイア後の経済準備の重要性が意識されます。
年金支給年齢の引き上げか、支給額の減額か
「国の年金は将来どのくらいになるのかね。」前述の深谷の事業主様です。
公的年金不安のひとつは、年金受給額が年々減っていることです。
日本は、公的年金の開始年齢を引き上げるのではなく、給付額の抑制です。
複雑で分かり辛い計算方式で、年金額は減っています。
年金財政安定のためと、年金不安解消には、
・英国のように、年金受給開始年齢を引き上げる。
・日本のように、年金支給額を減らす。
どちらの方が良いと思われますか。
個人的には、英国方式の開始年齢を引き上げを支持します。
開始年齢引き上げは、年金が逃げ水のように遠ざかると思われるかもしれませんが、
こちらの方が、まだ自助努力の裁量の余地があると思います。
例えば、
開始年齢が65歳から67歳に2年間延びると、無年金の2年間分を準備します。
貰えるはずの年金が世帯で年額300万円とすると、その2年分を用意する。
仮に600万円を現役時代の20年で準備すると銀行預金でも月額2万5千円です。
「確定拠出年金」の投資信託3%運用では、月額18,276円の積立で済みます。
600万円を貯めるのに、積立期間40年、リターン5%(株式運用)では、
毎月の積立額はいくらになるか・・・、シミュレーションしてみて下さい。
きっと驚きますよ。積立元本は600万円の1/3にもならないのですから。
一見、年金開始年齢引き上げの方が厳しく思え、政治的にも難しいのでしょう。
でも、年金支給額の減額では、漠とした不安が続き自助努力の目途がつかない。
年金制度が現状のままというのは難しく、制度見直しが迫られているなら、
支給開始年齢引き上げでも、年金額減額、
どちらにしても分かり易い議論とスピードが要求されます。
年金改革は公的年金だけではなく「確定拠出年金」と一体で、
英国のように「企業型DC」の自動加入義務付けも検討されて良いのでは、と思います。