10%位の為替変動は想定すべき
日々「円安」のワードに接し、円安→輸入品が高い、円安→外貨建て資産は評価増と言われると、
外貨預金でもしようかなぁ。
でも、こんなに円安の時に今からドル預金や、外貨建て保険ってどうなの。
ここ5年間で見てもかなりの円安。迷いますよね。
下の図は、1ドル130円のときに2%の米国債券に預けた場合です。
金利2%では、3年後為替が120円の円高に動くと元本は100ではなく98と2%の元本割れです。
100万円預けると98万円に減ってしまいます。
12年後であっても為替が、1ドル100円の円高では、元本割れです。
1ドル130円のとき、グリーンの部分が元本割れの為替損となります。
円高が進むと、仮に1ドル80円では20年経っても元本割れです。
反対に、1ドル130円が140円の円安になると、
1年後金利2%の債券に100万円を預けると110万円になっています。
為替の変動は、金利より大きく、ドル円でも20%位の変動は想定すべきです。
新興国通貨では変動幅はドル以上に大きくなります。
残念なことに現状は低金利のため、金利2%の外貨預金は見当たりません。
債券や、外貨建て保険のように確定利回りのものでも、手数料や内容をよく確認し、
その上で為替を考慮しなければなりません。
為替との付き合い方
下の図は、1ドル130円のときの7%の世界株式リターンです。
1ドル130円のとき、1年後1ドル120円の円高では1%の元本割れですが、2年後はプラス6%の収益です。
グリーンの部分が元本割れの為替損ですが、1ドル80円の円高でも8年後はプラスとなります。
リターン2%の債券に比べ、元本割れのグリーンの部分が少ないですよね。
7%のリターンなんてあり得ない、想定が高すぎる!
では、検証です。
下図は、世界株式に30年間投資したときのリターンです。
投資期間1年間ではマイナスですが、投資期間3年以上では全てプラスです。
20年保有では年率7.9%の収益、30年保有では年率8.1%のリターンです。
直近の株安を見ていると、不安になり、信じ難いかもしれませんが、
世界株投資では、年率7%の収益はリアルに存在します。
株安の今こそ投資を継続することで、将来より良い成果が得られます。
為替は10%位の変動が常ならば、
金利2%では、為替により固定金利部分の収益は打ち消されてしまいます。
円以外の資産にお金を預ける、投資をするときは、
為替変動を上回る収益が見込める預け先と、
為替損とならないための時間軸を考慮に入れなければなりません。
MSCIオールカントリー・ワールドインデックス(ACWI)は、
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社が算出・公表する株価指数です。
国内外のグローバル株式投資の際のベンチマークとして
最も信頼され多くのETF、投資信託で採用されています。
外貨建て商品で安心なのは、特定の国や業種に限定せず、
過去30年間で年率7%リターンの実績のある世界株投資信託です。
ACWIは、日本株も先進国も新興国も幅広く分散されたインデックス指標です。
ACWIを指標とした世界株投資信託は「確定拠出年金」にも「NISA」にもあります。
30年で年率7%リターン実績のある世界株式に長期積立てが、
為替リスクを回避する手立てとしては一番合理的です。
世界株投資信託で長期に構えれば、為替変動は怖くない。