「確定給付型」と「確定拠出型」
“日本生命 来年4月から、1.25%から0.5%へ引き下げへ”
生命保険の予定利率ではありません。
生命保険は、予定利率が下がると、保険料が上がります。
今回は、生命保険ではなく、「確定給付企業年金」です。
厚生年金に上乗せする形で、「確定給付型企業年金」加入者933万人と
「確定拠出型年金」加入者750万人があります。
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どちらも確定の文字が最初に付くのですが、
「確定給付型」は、受取るときの金額が確定している。
「確定拠出型」は、掛金が確定している。
紛らわしいですよね。
「確定給付型」は、主に大企業が退職金制度として採用しています。
中小企業には「確定給付型」の「中小企業退職金共済制度」というのがあります。
両者とも将来の受取額が確定、言い換えれば固定されています。
確定している、固定されていると安心感がありますよね。
でも、確定していることは果たして安心で、良いことなのでしょうか。
今回の日本生命のように「確定給付型企業年金」の予定利率を下げると、
1.企業が約束された退職金を払うためには積立額を増やす。
2.将来の受取額を減額する。
いずれかの道を選ばなければなりません。
積立金額を増やすとなれば、企業は売り上げを上げるか、経費を削るかです。
経費削減のしわ寄せで、給料が上がらない、
リストラをするでは、確定の代償としては厳しいはずです。
将来の受取額を減らすことも簡単ではなく、
そうなれば、当てにしていた退職金なり年金が少なくなるので受け入れ難いでしょう。
「確定」は、前提条件が崩れると確定ではなくなる。
「固定」されてしまうよりは
「確定給付型」は、将来の受取額が決まっていて固定されてしまいます。
30年前に生まれた人は、物価が目に見えて上がる実感なんてないでしょうね。
100円でチロルチョコ3個は買えるし、卵は特売で100円、
ペットボトルの飲料水だって100円でも買える、安い日本です。
でも、このところの食料品や生活用品の値上がりを見ていると、
潮目が変わりつつあるように思われます。
インフレとはモノの値段が上がり、お金の価値が下がることなので、
同じ100円でも買えるものが減ってしまいます。
チロルチョコだって、3個買えなくなってしまう。
世界はインフレ状況下で、日本もこれから襲ってくる。
物価が上がって行くのに、給料と年金は置いてきぼりなのでしょうか。
「収入が減ったので投資」は、正解? で見て頂いた通り、
公的年金は上がらない仕組みになってしまいました。
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公的年金を補う年金は、受取額が固定されている
「確定給付型」より
「確定拠出型」の方が正解と思います。
「確定拠出型」は自分の裁量で、運用先を選べ、
増える余地があります。
将来の受取額が固定ではなく、物価上昇を織り込んだ、インフレにも対応できる「拠出型」の方が安心ではないでしょうか。
「固定」されてしまうと、それ以上にはならない。
「確定拠出型」は株式を主体とした投資信託による運用です。
株式は下がるから怖い。
だったら、増えなくても確定していた方が安心とのロジックで「確定給付型」となるのです。
ですが、株式は過去の暴落時でも必ず回復し、それ以上に上昇しています。
その繰り返しです。
長期には、物価上昇を補い資産を築く上で有効です。
もう一つ、公的年金や「確定給付型」は、
現役世代から受給者への仕送り賦課方式ですが、
「確定拠出型」は自分の積立金が将来還ってくる積立て方式です。
少子高齢化の日本で、将来賦課方式のシステムはどこまで頼れるのか。
20年・30年後のお金の価値なんて、想像できません。
公的年金上乗せ年金は、自分の積立金を見守れる方が安心ではないでしょうか。
企業年金も「確定給付型」から「確定拠出型」に移行が進みそうです。
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